index
青少年の性的犠牲からの保護に関する法律 2000年2月3日
(韓国)青少年の性的犠牲からの保護に関する法律 法律第6261号 新規制定2000.02.03. 第1章 総 則 第1条(目的) 本法は、青少年の性を買い、あるいはこれを斡旋する行為、青少年を利用してわいせつ物を製作・配布する行為及び青少年に対する性暴力行為などから青少年を保護・救済し、青少年の人権を保障して、健全な社会構成員に成長できるようにすることを目的とする。[施行2000.7.1] 第2条(定義) 本法で使用する用語の定義は、次の通りである。 1.「青少年」とは、19才未満の男女をいう。 2.「青少年の性を買う行為」とは、青少年、青少年を斡旋した者または青少年を実質的に保護・監督する者などに金品その他財産上利益や、職務・便宜提供など、代価を提供したりこれを約束して次の各目の1に該当する行為をすることをいう。 イ.青少年との性交行為 ロ.青少年との口腔・肛門など身体の一部または道具を利用した類似性交行為 3.「青少年利用わいせつ物」とは、青少年が登場して第2号各目の1に該当する行為をしたり、青少年の羞恥心を惹起させる身体の全部または一部などを露骨に露出して、淫らな内容を表現したものととして、フィルム・ビデオ・ゲームまたはコンピュータその他通信媒体を通した映像などの形態になったものをいう。[施行2000.7.1] 第3条(解釈・適用上の注意) 本法を解釈・適用するにあたっては、国民の権利が不当に侵害されないように注意するべきである。[施行2000.7.1] 第4条(国家及び地方自治体の義務) 国家及び地方自治体は、青少年の性を買う行為、青少年に対する性暴力行為などの犯罪を予防して、青少年を保護して、これの根絶のために調査・研究・教育・指導その他必要な法的・制度的装置を用意して、必要な財源を調達するべきである。[施行2000.7.1] 第2章 青少年の性を買う行為などの処罰 第5条(青少年の性を買う行為) 青少年の性を買う行為をした者は、3年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金に処する。[施行2000.7.1] 第6条(青少年に対する強要行為等) 次の各号の1に該当する者は、3年以上の有期懲役に処する。 1.暴行または脅迫で青少年に対して青少年の性を買う行為の相手方になるようにした者 2.偽計または先払い金その他債務を利用する等の方法で青少年を苦境に陥れ青少年に対して青少年の性を買う行為の相手方になるようにした者 3.業務・雇用その他の関係によって自身の保護または監督を受けるのを利用して、青少年対して青少年の性を買う行為の相手方になるようにした者 4.業として青少年を青少年の性を買う行為の相手方になるように誘引・勧誘した者 第1項第1号ないし第3項の罪を犯した者が、その代価の全部または一部を受けまたはこれを要求もしくは約束した時は、5年以上の有期懲役に処する。 第1項及び第2項の未遂犯は処罰する。 青少年の性を買う行為の相手方になるように誘引・勧誘した者は、5年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処する。[施行2000.7.1] 第7条(斡旋営業行為等) 次の各号の1に該当する者は、5年以上の有期懲役に処する。 1.青少年の性を買う行為の場所を提供する行為を業とする者 2.青少年の性を買う行為を斡旋する行為を業とする者 3.第1号または第2項の犯罪に使われる事実を知って資金、土地または建物を提供した者 4.業として性を売買する行為の場所を提供する店舗または斡旋する店舗に青少年を雇用した者 次の各号の1に該当する者は、5年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処する。 1.業として青少年の性を買う行為をするよう誘引・勧誘または強要した者 2.青少年の性を買う行為の場所を提供した者 3.青少年の性を買う行為を斡旋した者 4.業として青少年の性を買う行為の場所を提供したり、青少年の性を買う行為を斡旋することを約束した者 青少年の性を買う行為をするよう誘引・勧誘または強要した者は、3年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金に処する。[施行2000.7.1] 第8条(青少年を利用したわいせつ物の製作・配布等) 青少年を利用したわいせつ物を製作・輸入・輸出した者は、5年以上の有期懲役に処する。 営利の目的で青少年を利用したわいせつ物を販売・貸与・配布したり、これらの目的で所持・運搬したり、公然と展示または上映した者は、7年以下の懲役に処する。 青少年に対して青少年を利用したわいせつ物の製作者に斡旋した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。 第1項の未遂犯は処罰する。[施行2000.7.1] 第9条(青少年の売買行為) 青少年の性を買う行為及び青少年を利用したわいせつ物を製作する行為の対象になることを知りながら、青少年を売買した者は、無期または5年以上の懲役に処する。 青少年の性を買う行為及び青少年を利用したわいせつ物を製作する行為の対象になることを知りながら、青少年を国外に売買または移送し、もしくは国外に居住する青少年を国内に売買または移送した者は、無期または5年以上の懲役に処する。 第1項及び第2項の未遂犯は処罰する。[施行2000.7.1] 第10条(青少年に対する強姦,強制わいせつ等) 女子青少年に対して刑法第297条(強姦)の罪を犯した者は、5年以上の有期懲役に処する。 青少年に対して刑法第298条(強制わいせつ)の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役または500万ウォン以上2千万ウォン以下の罰金に処する。 青少年に対して刑法第299条(準強姦、準強制わいせつ)の罪を犯した者は、第1項または第2項の例による。 偽計または威力で女子青少年を姦淫し、または青少年に対してわいせつ行為を行った者は、第1項または第2項の例による。 第1項ないし第4項の未遂犯は処罰する。[施行2000.7.1] 第11条(両罰規定) 法人の代表者、法人または個人の代理人・使用人その他従業員が、その法人または個人の業務に関して第6条ないし第9条の罪をおかした時には、行為者を罰する他、当該法人または個人に対しても罰金刑がある場合には各該当条の罰金刑を課し、罰金刑がない場合には5千万ウォン以下の罰金に処する。[施行2000.7.1] 第12条(内国人の国外犯処罰) 国家は、内国民が大韓民国領域外で第5条ないし第10条の規定に違反して、刑法第3条(内国人の国外犯)の規定によって刑事処罰すべき場合、外国から犯罪情報を迅速に入手して処罰するように努力するべきである。[施行2000.7.1] 第3章 対象青少年の指導保護等 第13条(少年部送検) 第5条ないし第9条の規定による罪の対象になった青少年(以下「対象青少年」という)に対しては、指導保護及び社会復帰のために、売春行為等防止法第26条第3項の規定を適用せずに、少年法第4条第1項の規定による少年付議保護事件として処理し、この法律に規定された事項以外には少年法による保護事件関連規定を適用する。 対象青少年がある時には司法警察官は迅速に事件を捜査して、保護事件として処理することが相当な旨の意見を貼付して、これを検察官に送検するべきである。 対象青少年を発見した保護者または学校と社会福利施設の長は、少年法第4条第3項の規定によって、これを管轄少年部に通告できる。[施行2000.7.1] 第14条(少年部保護事件の処理) 検察官は、第5条ないし第9条の規定による罪の対象青少年に対して、事件の性質・動機及び結果、行為者の性向などを考慮して、少年法による保護処分に処することが相当だと認める時には、少年付議保護事件として処理することができる。この場合、検察官は、当事者の意見を尊重することができる。[施行2000.7.1] 第15条(保護処分) 少年部裁判官は、少年法第32条第1項の規定によって、対象青少年のために必要と認める時には、同項各号の処分の他に、売春行為等防止法第11条第1項第2項の規定による指導保護施設、または青少年保護法第33条の2第1項及び第3項の規定による青少年保護センター及び青少年社会復帰センターに指導保護を委託する処分を行うことができる。 第1項の規定による委託の期間は6月とするが、少年部裁判官は、決定で6月の範囲内で1回に限りその期間を延長することができる。ただし、少年部裁判官は、必要な場合いつでも決定でその委託を終了させることができる。[施行2000.7.1] 第16条(保護施設) 売春行為等防止法第11条第1項及び青少年保護法第33条の2の規定による各施設は、必要な場合、対象青少年の指導保護のために次の各号の1に定めた業務を遂行することができる。 1.第17条第1項各号に定めた業務 2.対象青少年の指導保護 3.対象青少年の身体的・精神的・情操的安定回復のための治療、集団相談プログラムの運営 4.対象青少年の保護者のための教育プログラムの運営 5.長期治療が必要な対象青少年の他機関への委託[施行2000.7.1] 第17条(相談施設) 売春行為等防止法第14条の規定による女性福祉相談所及び母子福祉法第7条の規定による母子福祉相談所は、次の各号の1に定めた業務を遂行することができる。 1.第5条ないし第9条の規定違反事実の申告受付及び相談 2.対象青少年と病院または関連施設の連係 3.その他青少年の性売買などに関連した調査・研究 性暴力犯罪の処罰及び被害者保護等に関する法律第23条及び第24条の規定による、性暴力被害相談所及び性暴力被害者保護施設は、次の各号の1に定めた業務を遂行することができる。 1.第1項各号に定めた業務 2.第10条に定めた犯罪の被害の申告を受けたり、これに関する相談に応じる業務 3.性暴力被害によって正常な生活が困難となり、またはその他の事情で緊急に保護を必要とする青少年を、病院または性暴力被害者保護施設に送付し、一時保護する業務 4.性暴力被害者である青少年の身体的・精神的な安定の回復と社会復帰を助ける業務 5.加害者に対する告訴と被害補償請求等司法処理手順に関して大韓弁護士協会・大韓法律救助公団など、関係機関に必要な協調と支援を要請する業務 6.青少年に対する性暴力犯罪の予防及び防止のための広報 7.青少年に対する性暴力犯罪及びその被害に関する調査・研究 8.その他性暴力被害者である青少年の保護のために必要な業務[施行2000.7.1] 第18条(秘密漏洩禁止) 第5条ないし第10条の規定による罪の捜査または裁判を担当し、またはこれに関与する公務員は、対象青少年及び被害青少年の住所・姓名・年齢・学校または職業・容貌その他本人を特定して把握できるようにする人的事項及び写真などを公開したり他人に漏洩してはならない。 第1項に規定された者は、青少年性売買及び青少年に対する性暴力犯罪の訴追に必要な犯罪構成事実を除いて、対象青少年及び被害青少年の私生活に関する秘密を他人に漏洩してはならない。 第16条及び第17条の規定による施設の長やこれを補助する者またはその職にあった者は、その職務上知り得た秘密を他人に漏洩してはならない。 第5条ないし第10条の規定による罪に対しては、対象青少年及び被害青少年の住所・声明・年齢・学校または職業・容貌その他本人を特定して把握できる人的事項や写真などを、新聞等出版物に掲載したり放送媒体を通して放送してはならない。 第1項ないし第3項の規定に違反した者は、2年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処する。 第4項の規定に違反した新聞の編集人、発行人またはその従事者、放送社の編集責任者、その長または従事者と発行人は、500万ウォン以下の罰金に処する。[施行2000.7.1] 第19条(捜査手順での配慮) 第5条ないし第10条の規定による罪の捜査を担当する捜査機関は、その職務を遂行するにあたって、青少年の人権及び特性を配慮すると同時に、その名誉と尊厳を害しないように格別に注意するべきである。[施行2000.7.1] 第4章 補 則 第20条(犯罪防止の啓蒙) 青少年保護委員会は、青少年の性を買う行為などの犯罪防止のための啓蒙文を年2回以上作成して、官報への掲載を含んだ大統領令が定める方法で全国にわたり掲示または配布するべきである。 第1項の規定による啓蒙文には、次の各号の1に該当する罪を犯した者の姓名、年齢、職業などの身上と犯罪事実の要旨を、その刑が確定した後、これを掲載して公開することができる。ただし、罪をおかした者が青少年である場合には、その限りではない。 1.第5条の規定に違反した者 2.第6条第1項ないし第3項の規定に違反した者 3.第7条第1項の規定に違反した者 4.第8条第1項の規定に違反した者 5.第9条の規定に違反した者 6.第10条の規定に違反した者 7.性暴力犯罪の処罰及び被害者保護等に関する法律によって加重処罰された者(青少年に対して罪をおかした場合に限る) 青少年保護委員会は、第2項の規定による身上などの公開を決定するにあたって、公開対象者及び対象青少年の年齢、犯行動機、犯行手段と結果、犯行意欲、罪質さ、公開対象者の家族関係及び対象青少年に対する関係、犯行後の情況などを考慮して、公開対象者及びその家族などに対する不当な人権侵害が無いようにするべきである。 第2項の規定による身分公開の場合、第5条ないし第10条の規定による罪の対象青少年と被害青少年の身上は公開することができない。 第1項及び第2項の規定による啓蒙文掲載などと関連した具体的な時期・期間・手続等に関して必要な事項は、大統領令に定める。[施行2000.7.1] 第21条(国際協力) 国家は、青少年の性を買う行為、青少年に対する性暴力行為などが国際的犯罪であることを認識して、犯罪情報の共有、犯罪調査研究、国際司法共助、犯罪人引渡しなど、国際協力を強化する努力をするべきである。[施行2000.7.1] 附 則 (施行) 本法は、2000年7月1日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 本法施行前に青少年保護法第26条の2第9号の規定に違反した行為に対する罰則の適用においては、従来の規定による。 (他の法律の改正) 青少年保護法中、次の通り改正する。 第26条の2第9号を削除する. 第50条第4号中「第26条の2第7号ないし第9号」を「第26条の2第7号及び第8号」とする。
index